JB-POTとは

日本心臓血管麻酔学会では、米国における経食道心エコー(TEE)の組織であるNational Board of Echocardiography (NBE)が行っている認定試験にならって、Japanese Board of Perioperative Transesophageal Echocardiography (JB-POT)を立上げ、欧州よりも先んじて2004年よりTEEの認定試験制度を開始しており、毎年数百名が受験しております。

術中の経食道心エコーは、術中モニタリング機能のみならず、手術方針や内容の決定をする上で重要な役割を担うようになっており、心臓大血管手術の管理をする上で必須の手段となっております。しかし、正確な診断と的確な判断をするためには、十分な知識や技術が求められ、それを保障するためにTEE認定試験を開始いたしました。また、JB-POTでは、TEEの認定試験を行うに留まらず、年2回TEE講習会を開催し、300名に及ぶ多くの医療者のご参加をいただいており、教育にも力を注いでおります。さらに、TEEの有用性の啓蒙などの社会的活動、関連情報の提供なども行っております。

心臓手術は他の領域の手術と比較して、周術期の偶発症(合併症)の発生頻度が高く、チーム医療の実践が重要視されています。術中のTEEは、従来ブラックボックスであった人工心肺中や術直後の異常事態を可視化することを可能とし、心臓外科医と麻酔科医とが良質な情報を共有できるようになったことから、TEEが心臓外科医と麻酔科医との架け橋となっているばかりか、心臓外科医、体外循環技術認定士、麻酔科医の三位一体のチーム医療を実践し、この信頼関係を基盤として良好な方針決定から治療成績の向上が図られております。さらに、TEEが要となって、循環器内科医、循環器小児科医とも幅広い交流を通じて、超音波診断や心臓外科手術医療がより良い方向に前進することを願っております。

日本心臓血管麻酔学会では、現在心臓血管麻酔専門医の制度を立上げ、JB−POTと共に車の両輪として、今後も心臓外科手術や周術期循環管理に関わる医療人を育成することを目標としております。


2016年7月1日  一般社団法人日本心臓血管麻酔学会理事長  野村 実
JB-POT認定委員長  小出 康弘
JB-POT試験問題作成委員長  山田 達也